M字ハゲとブルース・ウィリスについて

M字ハゲとブルース・ウィリスについての回想記事です。
45歳の夫は毎朝夕、熱心に鏡を見る。
はげチェックだ。
その鏡に向かう一生懸命な後ろ姿を最近は可哀想に思う。
20年前、テレビで禿げは遺伝によるものと聞いてホッと胸を撫でおろしていた。
祖父も父もはげてはいなかったから。
そして、M字ハゲの上司やそれをかくしている上司を陰で笑っていた。

いつだったか、ハゲにも種類があるよねーと話したことがあった。
てっぺんだけがなくなっていくのは嫌だとか、でも自分は顔が濃いからツルツルも似合わないとか。
話していて、M字ハゲくらいならイイかな、と言っていたのは今でもはっきりと覚えている。
ブルースウィリスのM字ハゲが始まっていたころだ。
映画のダイハードでブルースウィリスはかっこよかった。
映画がダイハード2やダイハード3と進むと共に、ブルースウィリスのはげも進んだ。
でも、かっこよかった。
そして完全に髪の毛がなくなったのか、なくしているのか、M字はげではなくなった彼は今でもかっこいい。
そんな流れの中、夫は徐々に不安が増し、「M字くらいならいいよねー」と言っていた余裕はなくなった。
はげは進むことを、目の当たりにしてきたからだろう。
頭皮の汚れがはげにつながると聞けば、念入りにシャンプー。
櫛は抜け毛を防ぐために、そぉっとそぉっと。
でも、額の両脇の面積が年々広くなってきている。
気がつくと、はげた上司を笑うなんてことはなくなった。
同僚にもはげは増えた。
先日、テレビでダイハードを見ながら夫は言った。「僕がM字ハゲても誰もかっこいいとはいってくれない。俳優はいいな。」女性が年々増えるシワやシミに怯えるように、男性も気苦労があるのだと中年に入った夫を愛しく思う。

M字はげの治療の内容がまるわかりなんですよ